TOP> エンタメ コラム一覧> 世界の“トラックめし”事情!ドライバーが愛する国別グルメ

トラックドライバーにとって「食事」は単なる腹ごしらえではありません。
長距離運転の合間にホッとできる瞬間であり、仕事を続けるための大切な“燃料”でもあります。

日本ではサービスエリアの定食やラーメンが定番ですが、海外ではどうなのでしょう?

実は「トラックめし」を比べてみると、その国の文化や働き方が見えてくるのです。

アメリカ

ダイナーはドライバーの“社交場”

アメリカのハイウェイ沿いには「トラックストップ」と呼ばれる大型休憩施設があります。

そこに併設されるのが、まさに映画でおなじみの「ダイナー」。
24時間営業のレストランで、ステーキやハンバーガーが大きな皿にドン!と出てきます。

特徴は、とにかく量が多く、カロリーも高めなこと。
長距離運転で消耗した体力を一気に取り戻すため、脂っこいメニューが喜ばれるのです。

実はアメリカのドライバーは、ここで食事をとるだけでなく、仲間と情報交換をすることも多いのだとか。

「食べる」と「しゃべる」がセットになっているのは、アメリカらしいトラック文化ですね。

豆知識

  • ちなみに、
    世界最大のトラックストップとして知られる「アイオワ 80(Iowa 80)」は、敷地220エーカー、駐車900台、67,000平方フィートの建物内には映画館や理髪店まであり、1日に5,000人の来訪者を記録するほどの規模です 。

ヨーロッパ

サンドイッチ文化とコーヒーブレイク

ヨーロッパのドライバー食文化は「軽め」が基本。
特にフランスやドイツでは、パンにチーズやハムを挟んだサンドイッチスタイルが広く浸透しています。

理由は「道路事情」と「国の距離感」。

国境をまたいで数時間で移動できるため、わざわざボリューム料理を取らずに、休憩所でサッと食べる習慣が定着しました。
エスプレッソやカプチーノなどコーヒー文化が強く、食事と一緒にカフェインでリフレッシュするのも特徴です。

ちょっとしたコーヒーブレイクが、ヨーロッパの“トラックめし”らしさを作っています。

豆知識

  • EUのeFTI(電子貨物輸送情報)規制が始まり、紙書類に頼らないデジタルな業務スタイルが進んでいます。

アジア

ご当地屋台と温かい一杯

アジアでは、地域ごとの「屋台文化」がトラックドライバーの食を支えています。

たとえばタイやマレーシアでは、道端の屋台で炒め物や麺料理を購入し、停車中にサッと食べるスタイルが一般的です。

中国では、温かい麺や餃子が人気。汁ものは疲れを癒し、体を温めてくれるので長距離ドライバーに好まれます。

豆知識

  • 温かい汁物は、疲労回復や体温維持に効果的。地元の屋台で味わう食文化と温かさは、まさに“移動食”の真骨頂といえるでしょう。

日本

SAグルメは進化系「ご当地祭り」

そして日本の“トラックめし”といえば、やっぱりサービスエリア。
ラーメン、カレー、丼ものに加え、最近はご当地食材を使ったメニューも増えています。

「旅の途中でちょっと観光気分」になれるのが、日本のサービスエリア文化の面白いところ。
海外のドライバーからすると、日本のSAは「清潔でメニューが豊富」と驚かれるそうです。

食べ物から見える“働き方の違い”

国ごとに“トラックめし”が違うのは、その土地の食文化だけでなく、働き方や道路事情が影響しています。

「アメリカ」は広大な土地を走るためガッツリ食べる。
「ヨーロッパ」は国をまたぐから軽め。
「アジア」は屋台文化が根づいている。
「日本」はサービス精神が反映された多彩なメニュー。

まさに「食は文化を映す鏡」。
トラックめしを比べてみると、各国のドライバーの生活スタイルまで見えてくるのです。

「どこで、何を食べるか」は、単なる食事以上にドライバーの生活と文化を映す鏡。

次に海外へ行く機会があれば、あえてサービスエリアや屋台で“トラックドライバー視点”の食事を楽しんでみるのも面白いかもしれません。

あなたはどの国の“トラックめし”を試してみたいですか?