TOP> 基礎知識 コラム一覧> 給油するたびに損してる?「給油下手」が年間10万円を捨てている話

毎日トラックに乗っていると、給油は「当たり前の作業」になりがちですよね。

でも、ちょっと待ってください。その給油方法、本当に正しいですか?

実は、給油のタイミングや場所の選び方ひとつで、年間10万円以上の差が出ることもあるんです。「いつものスタンドで、いつものように入れる」その習慣が、知らず知らずのうちにあなたの財布を圧迫しているかもしれません。

今回は、意外と知らない「賢い給油術」をお話しします。ぜひ最後まで読んで、明日からの給油に活かしてくださいね。

なぜ「給油下手」は損をするのか

給油って、ただ燃料を入れるだけの単純作業に思えますよね。

でも実際には、タイミング、場所、方法によって、トータルコストが大きく変わってくるんです。

例えば、1リットルあたり5円高いスタンドで週5回給油していたらどうでしょう?月に約6,000円、年間で7.8万円の差になります。さらに、重量増加による燃費悪化や、無駄な迂回による時間ロスを含めると、損失は10万円を超えることも。

つまり、給油の仕方ひとつで「実質的な時給」が変わってくるんですよ。

「いつ給油するか」で燃費は変わる

満タン給油は実は非効率?

「とりあえず満タン」が習慣になっていませんか?

実は満タン給油には、デメリットもあるんです。燃料が増えればトラックの重量も増えて、その分だけ燃費が悪くなりますからね。特に大型トラックの場合、300リットルの燃料は約225kgの重量増。毎日市街地を走るなら、むしろこまめな給油の方が効率的なケースもあります。

ベストな給油タイミングとは

おすすめは「残量1/4になったら給油」です。

燃料が少なすぎると、燃料ポンプへの負担が増えて故障リスクが高まっちゃいます。逆に常に満タンだと、重量増による燃費悪化が続きます。1/4を目安にすれば、重量と安全性のバランスがちょうどいいんです。

それから、給油のタイミングは「朝」がベスト。朝の時間帯は混雑が少なく、給油に時間を取られずに済みます。また、一日の始まりに給油しておけば、燃料切れの心配なく安心して仕事に集中できますよ。

ちなみに、燃料は温度が低いほど密度が高くなり、同じリットル数でもエネルギー量が多くなります。気温が上がる昼間より、朝の方が理論上はお得なんです。ただし、その差はごくわずかですが。

ガソリンスタンド選びの3つの基準

①価格だけで選ぶと失敗する

安さだけで選ぶと、遠回りして時間と燃料をロスすることになりがちです。

重要なのは「ルート上にあるか」「給油にかかる時間」「価格」のバランス。片道10分余分にかかるスタンドなら、往復20分と燃料代を考えると、多少高くても近場の方が得になりますよね。

②セルフか有人か

セルフスタンドは確かに安いんですが、大型トラックの場合は有人の方がスムーズなケースもあります。

特に忙しい時間帯は、慣れたスタッフに任せた方が時短になりますからね。時間がお金に直結する仕事だからこそ、「安さ」と「効率」を天秤にかけましょう。

③燃料カードが使えるか

これが最も重要なポイントです。

燃料カードを使えば、リッター単価が1〜3円安くなるだけでなく、請求書で経費管理もラクになります。会社が契約していない場合でも、個人事業主なら自分で契約できますよ。

燃料カードで年間10万円節約する方法

燃料カードの種類と特徴

主な燃料カードには、以下のようなものがあります。

種類特徴
石油会社系カード特定のブランド(ENEOS、出光など)で大幅割引
クレジットカードポイント還元で実質割引
運送業界専用カード業務用トラック向けの特別割引

どれを選ぶかは、あなたがよく使うルートにどのスタンドが多いかで決めるといいですよ。

カード選びのポイント

年会費無料で、自分の走行ルートに合ったスタンドが多いカードを選びましょう。

複数のカードを使い分けるのもアリですよ。関東は○○カード、関西は△△カードと、エリアごとに最適なものを持っておくと、全国どこでも最安値で給油できます。

実際にいくら得する?

例えば、週に300リットル給油するドライバーの場合を計算してみましょう。

リッターあたり5円の割引なら、週1,500円、月6,000円、年間で約7.8万円の節約になります。さらにポイント還元や特典を含めると、10万円超えも十分に可能なんです。

やってはいけない給油のNG行為

①ギリギリまで粘る

「警告灯が点いてから」は危険です。

燃料タンクの底に溜まった不純物を吸い込んでしまって、エンジンや燃料フィルターを傷める原因になっちゃいます。修理代を考えると、早めの給油が正解ですね。

②毎回少額ずつの給油

「今日は1万円分だけ」を繰り返すのは非効率です。

給油の度にスタンドへ寄る手間と時間がもったいないですし、細かい管理も面倒になりますよね。ある程度まとめて入れた方が、トータルでは効率的ですよ。

③給油中のエンジンかけっぱなし

これは安全面でNGです。

静電気による引火リスクもありますし、スタンドによっては注意されます。面倒でも必ずエンジンを切りましょうね。

「給油上手」になるための実践チェックリスト

明日からすぐ実践できる、給油上手になるためのポイントをまとめました。

燃料管理

  • 残量1/4で給油する習慣をつける
  • 朝の低温時に給油する
  • 満タンにしすぎない(市街地走行の場合)

スタンド選び

  • ルート上の最安値スタンドをリスト化する
  • 燃料カードの割引を最優先に考える
  • 時間効率も計算に入れる

カード活用

  • 自分のルートに合った燃料カードを作る
  • ポイント還元率もチェックする
  • 複数カードの使い分けを検討する

やってはいけないこと

  • 警告灯が点くまで粘らない
  • 価格だけで遠いスタンドを選ばない
  • 給油中のエンジンかけっぱなしをしない

まとめ:小さな工夫が、大きな差を生む

給油は毎日の作業だからこそ、小さな工夫の積み重ねが大きな差になるんです。

「いつものスタンドで、いつものように」から卒業するだけで、年間10万円以上の節約も夢ではありません。

まずは今日から、給油のタイミングを見直してみませんか?そして、自分のルートに合った燃料カードを1枚作ってみましょう。それだけで、明日からの給油が「ただの作業」から「賢い節約術」に変わりますよ。

あなたの財布を守るのは、ハンドルを握るあなた自身です。