2024.07.18

2024.07.18
2024.07.23
2024.12.10
2024.07.18
物流業界は今、ドライバー不足や2024年問題など、様々な課題に直面しています。そんな中でも、社員が安心してイキイキと働ける環境づくりに力を入れている企業があります。
今回は、石川県金沢市に拠点を置く株式会社ウロコ物流の表専務取締役にインタビューを実施。会計のプロフェッショナルとしての経歴から、会社の未来ビジョンまで、幅広くお話を伺いました。
ウロコ物流の専務取締役を務める表さんは、元々会計事務所に13年間勤務していたキャリアの持ち主です。物流業界に転身したのは約1年半前のこと。社長の紹介がきっかけで、経理責任者としてウロコ物流に入社しました。
「前職は8年間、会計事務所に勤めていました。1年半前に社長の紹介で経理の責任者をやってほしいということでウロコ物流に入りました。」
現在は会計帳簿の作成や資金調達、入出金の管理など、会社の財務面を一手に担っています。
さらに、会社の隅々まで目を配る姿勢の表れとして、
「掃除や神棚のお手入れもしています(笑)」
と語る表専務。
「そういう細かいところも自分でやらないと会社ってなかなか良くならないんですよね」
という言葉からは、経営者としての責任感が伝わってきます。
経理という仕事は、会社の資金を管理するという大きな責任を伴います。
「やっばりお金を扱う仕事なので、慎重にならないといけない場面が多いです。特に、給与計算や取引先に対する支払いを間違えると、とんでもないトラブルになるため、日々細心の注意を払って業務に取り組んでいます。」
仕事上の失敗について尋ねると、
「お客さんへの支払い金額を間違えていましたよ、と連絡が来てすみません、と言うことはありました」
と正直に答えてくれました。
「失敗で悩んだりすることもあります。でも悩んでも寝たらスッキリしてます(笑)」
と前向きな姿勢で困難に立ち向かう様子が印象的です。
一方で、経理の仕事にはやりがいも多くあります。
「やっばり資金繰りですね。いろんな取引先と交渉して、うまく資金が回ったときとか。あとは計画通り順調にお金が増やせたり、そういうところは仕事の楽しみ」
と目標を達成したときの喜びを語ってくれました。
ウロコ物流は、北陸を拠点に幅広い地域をカバーする運送ネットワークを構築しています。
「まず、関東・東海・新潟方面への長距離便があります。それから、夜間には北陸三県を走るローカル便も運行しています」
ドライバーのルート割り当てについては、
「特に決まっているわけではありませんが、ある程度本人の希望を聞きながら決めていきます」
と社員の希望を尊重する柔軟な姿勢が見られます。
また、ウロコ物流の特徴として、鮮度を保っための設備が充実している点が挙げられます。冷凍車を導入し、さらに自社倉庫には小型プレハブ冷凍庫も備えるなど、冷凍·冷蔵品の取り扱いにも対応。食品や生鮮品など温度管理が必要な荷物も安心して任せられる体制を整えています。
ウロコ物流の社内の雰囲気について聞くと、表専務は笑いながら
「うちのドライバーは年齢層が高めなので、私みたいな人ばっかりですね(笑)」
「皆さん、ドライバーのイメージってあると思うんですけど…まあ、その通りで口が悪いです(笑)」
と率直に伝えてくださいました。
しかし、そこには独自のコミュニケーション文化があるようです。
「常にため口だからこそ、上下関係があまりなくて変に気を遣わずに話せるんですよね。私はため口を使われても特に気にならないので、普通に会話していますよ」
と肩の力を抜いた職場の雰囲気が伝わってきます。
形式ばった上下関係より、お互いに率直に意見を言い合える環境を大切にしているウロコ物流。これは長時間の運転を担当するドライバーにとって、ストレスなく働ける要素の一つなのかもしれません。
物流業界全体が抱える大きな課題として、表専務はドライバーの高齢化を挙げます。
「どの運送会社も抱える共通の悩みがドライバーの高齢化です。若い人がなかなか集まらないんですよね」
そんな中、ウロコ物流が求めているのは『年齢に関係なく、前向きにいろんなことに挑戦できる人』です。
「特に若い人にぜひ入社してもらい、新鮮な空気や風を吹かせてくれることを期待しています」
と新たな人材を求める気持ちを語ってくれました。
物流業界は決して華やかな業種ではないかもしれませんが、社会のインフラを支える重要な役割を担っています。チャレンジ精神を持った若い世代の参入が、業界に新たな活力をもたらすことでしょう。
最後に、これからの目標について尋ねると
「2024年問題でドライバーの働き方が制限される中でも、会社を盛り上げて改善し、新しいことにも挑戦していきたい」
と力強く語ります。
2024年問題とは、2024年4月から全面適用される『自動車運転業務における時間外労働の 上限規制』のこと。長時間労働が常態化していた運送業界にとって大きな転換点となります。この制度変更をピンチではなくチャンスと捉え、働き方改革を進めていく決意が感じられます。
「従業員のみなさんが安心して、イキイキと意欲的に働ける職場を作ることが私の大きな目標です。やっばり会社って、人が集まって成り立つものですからね。みんなで協力しながら良い環境を作っていけたらいいなと思っています」
と熱意をもって語ってくれました
最後に
「これからもウロコ物流をもっと良い会社にしていけるように、日々コッコツと頑張っていきます!」
と結んだ表専務。
会計のプロフェッショナルとしての専門性を活かしながら、人を大切にする経営を進めていく姿勢が印象的でした。
物流業界は今、大きな変革期を迎えています。そんな中でも「人」を中心に据えた経営を掲げるウロコ物流。これからの発展から目が離せません。