「給料も休日も良いって聞いてたのに…」
転職して1ヶ月。そんな後悔の声を、あなたは聞いたことがありませんか?
実は運送業界の転職には、独特の「落とし穴」があるんです。面接では良いことばかり言われて、入社してみたら全然違う。
そんな失敗をする人には、ある共通点があります。
今回は、転職で後悔しないために知っておくべき「見極めポイント」をお話しします。これから転職を考えている人も、今の会社に不満がある人も、ぜひ最後まで読んでみてください。
転職1ヶ月で後悔する人の3つの共通点
①「給料」の数字だけで決めた
求人票に書いてある「月給40万円」の文字。
魅力的ですよね。
でもちょっと待ってください・・・その40万円の内訳、確認しましたか・・・?
基本給が20万円で、残りの20万円は残業代や各種手当だったりしませんか?基本給が低いと、ボーナスも退職金も少なくなります。さらに、体調を崩して残業できなくなったら、収入が激減することに。
「月給」という表面的な数字だけで判断すると、後で痛い目を見るんです。
②面接で質問しなかった
「こんなこと聞いたら、印象悪いかな…」
そう思って、聞きたいことを我慢していませんか?
でも、入社してから「聞いてなかった」と後悔しても遅いんです。
荷待ち時間の実態、実際の帰宅時間、有給の取りやすさ。こういうリアルな情報を聞かずに入社すると、ギャップに苦しむことになります。
③会社の「雰囲気」を確認しなかった
求人票や面接だけで判断していませんか?
実際の職場の雰囲気、先輩ドライバーの表情、車両の整備状況。こういう「見えない部分」を確認せずに入社すると、入ってから「こんなはずじゃなかった」となりがちです。
「聞いてた話と違う」よくあるパターン
パターン①:残業時間が全然違う
求人票:「残業は月20時間程度」
現実:実際は月60時間以上
2024年問題で残業規制が厳しくなったはずなのに、実際は違法すれすれの長時間労働。サービス残業を強いられることも。
これを避けるには、面接で「先月の残業時間の平均」を具体的に聞きましょう。曖昧な答えしか返ってこない会社は要注意です。
パターン②:休日出勤が当たり前
求人票:「週休2日制」
現実:実質的には週1日休めればいい方
「週休2日制」と「完全週休2日制」は全く違います。前者は「月に1回以上、週2日休める」という意味。つまり、毎週2日休めるわけじゃないんです。
さらに、休日出勤を断りにくい雰囲気があったり、「みんなやってるから」と暗黙の強制があったり。休日の実態は、必ず確認しましょう。
パターン③:手積み・手降ろしが想像以上にキツイ
求人票:「フォークリフト作業あり」
現実:手積み・手降ろし中心で負担が大きい
「フォークリフト作業あり」は、裏を返せば「手作業もある」ということ。しかも、その割合が書いていないことが多いんです。
入社してみたら、ほぼ毎日手積み・手降ろし。腰を痛めて続けられなくなる人も少なくありません。
パターン④:荷待ち時間が給料に反映されない
求人票:「荷待ち時間も勤務時間に含む」
現実:実際には給料に反映されていない
荷待ち時間が2時間、3時間と発生しても、「待機時間」として給料計算から除外される。こんなケースも珍しくありません。
2024年問題で改善されたはずですが、まだまだグレーゾーンが多いのが現実です。
パターン⑤:車両が古くてボロボロ
求人票:「車両完備」
現実:10年落ち以上の車ばかり
写真では新しそうに見えた車両が、実際は古くて故障ばかり。エアコンが効かない、運転席のシートがヘタっている、異音がする。
こんな車で長時間運転するのは、想像以上にストレスです。
転職で失敗しないための「見極めチェックリスト」
給料関連
- 基本給と手当の内訳は明記されているか
- 残業代の計算方法は明確か
- ボーナスは年何回、何ヶ月分か
- 昇給制度はあるか
休日関連
- 「週休2日制」か「完全週休2日制」か
- 『週休2日制』は“月1回以上、2日休みの週がある”制度
- 『完全週休2日制』は“毎週2日休み”
- 年間休日数は何日か(1日8時間・週40時間なら目安は104〜105日前後)
- 有給休暇の取得率は何%か
- 連休は取れるか
業務内容
- 配送エリアは明確か
- 手積み・手降ろしの割合は書いてあるか
- 荷待ち時間の実態について触れているか
- 車両の平均使用年数は書いてあるか
面接で絶対に聞くべき質問トップ5
「先月の残業時間の平均を教えてください」
曖昧な答えならNG。具体的な数字が出てこない会社は信用できません。
「実際の帰宅時間は何時頃ですか?」
「ルートによる」だけで終わらせず、具体例を聞きましょう。
「有給休暇の平均取得日数を教えてください」
「自由に取れます」だけでなく、実際の取得実績を聞くことが重要。
「手積み・手降ろしの割合はどのくらいですか?」
「ほとんどない」という答えは疑いましょう。具体的な割合を聞くこと。
「車両の平均使用年数はどのくらいですか?」
10年以上なら、整備状況も合わせて確認しましょう。
職場見学で確認すること
- ドライバーの表情:疲れ切っていないか、挨拶があるか
- 車両の状態:整備が行き届いているか、清潔か
- 事務所の雰囲気:整理整頓されているか、ピリピリしていないか
- 休憩スペース:ドライバーがリラックスできる場所があるか
もし職場見学を断られたら、それは大きな赤信号。何か隠したいことがある可能性が高いかもしれませんね。
こんな会社は要注意!
給料の内訳を教えてくれない
「詳しくは入社後に」「働いてみればわかる」
こんな曖昧な対応をする会社は危険です。給料は仕事選びの最重要ポイント。それを明かさないのは、何か不都合があるからに他なりません。
質問に対して威圧的
あなたの質問に対して、不機嫌になったり、威圧的な態度を取る面接官。
こういう会社は、入社後も理不尽な扱いを受ける可能性が高いです。面接はお互いを知る場。一方的に選別される場ではありません。
「とにかく人手不足で」を連発する
人手不足を強調しすぎる会社は要注意。
なぜ人が辞めるのか、なぜ人が集まらないのか。その理由を考えましょう。労働環境が悪いから、という可能性が高いです。
即日内定を出す
その場で「明日から来れる?」「いつから働ける?」
こういう会社は、人の入れ替わりが激しい可能性があります。じっくり検討する時間をくれない会社は、焦っている証拠です。
ネットの口コミが極端に悪い
会社名で検索すると、悪い口コミばかり出てくる。
もちろん、口コミを全て信じる必要はありません。でも、あまりにも悪評が多い場合は、火のないところに煙は立たないと考えた方がいいでしょう。
「良い会社」を見極めるポイント
ポイント①:給料の内訳が明確
基本給、各種手当、残業代の計算方法
これらが求人票にきちんと書いてあり、面接でも詳しく説明してくれる会社は信頼できます。
ポイント②:質問に丁寧に答えてくれる
あなたの質問に対して、真摯に、具体的に答えてくれる
「それは良い質問ですね」と前向きに受け止めてくれる会社は、入社後も働きやすい環境があるはずです。
ポイント③:ドライバーの定着率が高い
「うちは勤続10年以上のドライバーが多いんですよ」
こういう会社は、働きやすい環境が整っている証拠。定着率を聞くのは失礼ではありません。堂々と聞きましょう。
ポイント④:職場見学を歓迎してくれる
「ぜひ一度、職場を見に来てください」
こういう会社は、自信を持って職場環境を見せられるということ。むしろ、こちらから見学を申し出る前に、会社側から提案してくれることもあります。
ポイント⑤:2024年問題への対応を説明できる
時間外労働の上限規制、荷待ち時間の扱い、働き方改革への取り組み。
時間外上限(年960h)、拘束時間(1日13h・上限15/16h)、連続運転4h以内+30分中断など、具体基準まで説明できるか。
これらについて具体的に説明できる会社は、法令遵守の意識が高く、ドライバーを大切にしている証拠です。
転職活動の賢い進め方
ステップ①:複数の会社を比較する
1社だけで決めてはいけません。
最低でも3社は面接を受けて、比較検討しましょう。比較することで、相場観がわかり、おかしな条件に気づけるようになります。
ステップ②:在職中に転職活動する
できれば、今の会社を辞める前に次を決めましょう。
焦って転職すると、冷静な判断ができません。「早く辞めたい」という気持ちが先行して、条件の悪い会社でも妥協してしまいがちです。
ステップ③:転職エージェントを活用する
運送業界専門の転職エージェントを使うのも手です。
求人票に書いていない情報を持っていたり、条件交渉を代行してくれたり。一人で転職活動するより、心強いサポートが得られます。
ステップ④:試用期間を確認する
試用期間中の条件、本採用への基準。
これらを事前に確認しておくことで、入社後のトラブルを避けられます。試用期間だからといって、不当な扱いを受けていいわけではありません。
後悔しない転職は「情報収集」で決まる
「聞いてた話と違う」
そんな後悔をする人の多くは、情報収集が不足しています。
面接で聞くのが恥ずかしい、職場見学を頼むのが申し訳ない。そんな遠慮はいりません。これから何年も働く会社を選ぶんです。徹底的に情報を集めて、納得してから決めましょう。
まずは今日から、気になる会社の口コミを検索してみませんか?そして、面接では遠慮せず、このチェックリストを参考に質問してみましょう。
あなたの転職が成功するかどうかは、転職前の行動で決まります。後悔しない転職のために、しっかりと見極めてくださいね。