近年の日本の夏は、「猛暑」や「酷暑」という言葉では表現しきれないほどの厳しい暑さに見舞われています。トラックドライバーの皆さん、日頃から熱中症対策はされていますか?
夏の暑さは過度な体温上昇により全身の各臓器に負担がかかり、その結果、血液循環の要である心臓にも負担がかかります。また、体温の上昇と体温調節機能のバランスが崩れると、身体に熱がどんどん溜まってしまいます。このような状況が熱中症です。
屋外での作業が多く、肉体的負担も大きいトラックドライバーは、気付かぬうちに熱中症になりやすい職業です。そのため、適切な対策が必要です。
甘く見ないで!熱中症の危険性!
熱中症は、例年梅雨明けに多く発生しています。梅雨明け後約2~3週間の猛暑期間は時に死亡事例が集中しており、「水分補給」や「エアコンの活用」など、日頃からの適切な予防行動が必要です。
「車内だから大丈夫!」と思っていませんか?
曇りの日や室内、夜間寝ているときや部屋の中でも発生します。室内にいる際も注意しておくことが必要です。
熱中症を予防するには
トラックドライバーは長時間運転でトイレに行きにくく水分補給を控える傾向があるうえ、運転による緊張状態で汗をかきやすいため気付かぬうちに脱水状態になっているケースがあります。
車内はエアコンで涼しいからと油断してしまうと、夏の暑い屋外とクーラーの効いた車内との温度差は体への負担が増加します。
また、気温の上昇+水分不足が原因で熱中症になってしまうことがあります。下記のような症状がでたらすぐに対策しましょう。
【症状について】
1段階:めまい、立ちくらみ、失神、筋肉痛、手足のしびれ
2段階:頭痛、だるさ、嘔吐、軽い意識障害、体の痙攣
3段階:意識障害、高体温、倒れこみ
熱中症は無理と無知から起こるといわれています。少しでもめまいなどの症状に気づいたら、早めに水分補給や休憩をし、体調が戻らない場合は病院へかかりましょう。
日頃から対策しましょう!
汗をかいていなくても知らないうちに呼気や皮膚などから体内の水分が失われているため、屋内外限らず、水分を手元に置くなどこまめに水分補給をしましょう。
また、屋外で体力が奪われている場合、水だけでは不十分です。
大量の汗をかくと、水分だけでなく塩分が体外に排出されてしまいます。その状態で水を含んでしまうと体内の塩分濃度が薄まり、大量の水分が体外に排出されやすくなります。
体内から出ていく水分量を減らすためにも、塩キャンディーや、ナトリウムの入った栄養ドリンクなどを補給しましょう。
暑いときは無理をしない。我慢は禁物です。
休憩やこまめな水分・電解質補給(塩分)を心掛けましょう。
①汗をかく習慣をつける
人の体には暑熱順化といって、暑さに少しずつ慣れていく機能があるのですが、梅雨明けの気温が上昇し、夏日が続くことで暑さに体が順応できないまま熱中症を発症することがあります。
熱中症によって緊急搬送される人が最も多いのが梅雨明けの時期です。
体温調節や夏バテを避けるため、日常的に運動し汗をかくように心掛け、気温の急激な上昇に順応できるようにしておきましょう。
②物流倉庫の対応
コールドアーマーというわれるベストを着用しての作業や、大型扇風機の導入、栄養ドリンクや塩分タブレットなどの支給と、社員の熱中症を防ぐべく、このような取り組みをしている会社も増えてきています。社内で声掛け合いを行い熱中症を防ぎましょう!
熱中症に気を付けよう
効果的な体の冷却方法氷枕や保冷剤(冷えたペットボトルや氷でも可)を使用して、首筋や脇の下、足の付け根などの太い静脈がある部分を冷やすようにしましょう。これにより、体全体を効率的に冷やすことができます。
熱中症は、早期に対策を講じることで重症化を防ぐことができます。少しでも熱中症の症状が見られたら、すぐに適切な対応を行い、場合によっては医療機関を受診するようにしましょう。