ドライバーのみなさん。
秋の夕方、ハンドルを握っていて「なんだか見えにくいな」って感じたこと、ありませんか?
実はそれ、『薄暮(はくぼ)』と呼ばれる時間帯。
日が暮れはじめて、まだ夜ではない…あの中途半端な明るさのことなんです。
今日は、この薄暮がなぜ危ないのか、そしてどうすれば事故を防げるのかをお届けします。結論はシンプル。
『早めのライト点灯』と『歩行者を意識した運転』。
これだけで事故はぐっと減るんです。
薄暮ってなんで危ないの?
この薄暮、つまり夕暮れ時がどうしてドライバーにとってこんなにも危険なゾーンになってしまうんでしょうか?
人の目って、急に暗くなると私たちの目って急激な変化に追いつくのがすごく大変なんです。
だから物の距離感を見誤ったり、「あれ?」って危険に気付くのが遅れちゃったりするんです。目が追いつかないんですよね。

明るさの中で生活してきたのに、夕方になると一気に暗くなって、視界がぼやけます。
さて、ここがすごく興味深いところなんですが、この自然の現象に僕たち人間の行動パターンが重なると、危険性が一気に跳ね上がるんです。
考えてみてください。みんなが一斉に家に帰るあの帰宅ラッシュ。そこに暗い色の服を着た歩行者が混ざってくる。
これらが全部合わさって、まさに最悪の状況を生み出しちゃうわけなんですね。
警察のデータでも、17時から19時の事故件数は高め。だから“魔の時間帯”なんて呼ばれているんです。(出典:警視庁「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」)
3つの基本対策
じゃあどうすればいいのか?危険を知るだけじゃダメですよね。
ここからは、皆さんが絶対に今日から実践してほしい。とってもシンプルで、でも、ものすごく重要な3つのアクションをご紹介します。

①早めのライト点灯
まず1つ目、早めにライトをつけること。
ここがすごく大事なポイントなんですが、「暗くなったらライトをつける」じゃもう遅いんです。
ヘッドライトって自分が前をみるためだけじゃない。むしろ、周りの歩行者とかほかの車に『ここに車がいるよ』って知らせるためのいわば自己アピールのためのものなんです。だから、完全に暗くなるそのずっと前から点灯する。これが鉄則です。
②スピードを落とす
スピード控えめ。視界が悪いと、飛び出しに反応しづらいです。
車間距離を広めにとり、急な飛び出しにも対応できる余裕を持つようにしましょう。
③クリアな視界を確保する
フロントガラスを清潔に保ちましょう。
ガラスの汚れがライトを乱反射させて視界を邪魔します。点検のついでに拭き上げるだけでだいぶ違いますよ。
以上の3つが薄暮時の安全運転のまさに土台になる、一番基本で、一番大事な習慣なんです。
プロレベルの意識
さて、基本はバッチリですね。
では、次はもう一歩踏み込んで、プロレベルの意識についてみていきましょう。

特に、お仕事で大きなトラックを運転する方は、ぜひ知ってほしいポイントも含まれています。
トラックドライバーのみなさんへ
プロのドライバーの方、特に大型車となると特有の難しさがありますよね。
特に注意したいのが、運転席の位置が高いせいで、車のすぐ真下とかすぐ横にいる歩行者が全く見えなくなるっていう、あの『死角』の存在です。
薄暮時間帯だと、この『死角にいる人』を見つけるのがさらに遅れるリスクが高まるので、すべてのミラー(ドア、アンダー)を常にフル活用して確認することが絶対に必要になってきます。
車両準備チェックリスト
もちろん、自分の車自体の準備も安全のためのすごく重要なツールです。
例えば、ワイパー。ちゃんと拭き取れてますか?すり減ってませんか?
フロントガラス。外側だけじゃなくて、内側もきれいにしていますか?
意外と内側の汚れって見落としがちですよね。こういう簡単なメンテナンスがいざという時にクリアな視界を保つうえで、ものすごく大きな違いを生むんです。
デフロスター。秋は気温差でガラスが曇りやすいので、除湿やエアコンを上手に活用してください。
運転支援機能。オートライトなどを積極的に活用しましょう。
秋の交通安全キャンペーン
そして少し視点を広げてみると、この問題って実は警察や地域社会もちゃんと認識しているんです。

だからこそ、毎年9月下旬から10月は“秋の全国交通安全運動”。「ライトを早めにつけましょう」とか「歩行者を守りましょう」ってよびかけてるんです。
地域でも反射材の配布や見守り活動が行われているので、ドライバーの皆さんも意識してみてください。
まとめ
さて、ここまでいろいろな角度から見てきましたけど、じゃあ結局今夜皆さんが車で家に帰るとき、一番心に留めておくべきことって、いったい何だと思いますか?
その答えは、このパワフルで、そして、すごくシンプルな一言に集約されます。
「少し早めの安全行動を。」
そう、ライトをつけるのも、スピードを落とすのも、いつもよりほんのちょっとだけ早めに行動する。
このたった少しの意識の変化こそが、あの魔の時間帯の事故を防ぐ一番確実なカギになるんです。
次にハンドルを握るとき、日没前にライトをつけて、横断歩道で歩行者を優先してください。その小さな行動が、命を守り、安心して暮らせる毎日につながります。
それでは、安全運転でいってらっしゃい!